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帝王への道

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前作「受験の帝王」では大学受験がテーマでしたが、本作は就職試験など、もっと大人な課題を対象にしています。師匠と雪村の黄金コンビも健在で、アナウンサー志望の彼女にフラれた彼氏が腹いせにいきり立つところで、「自分もアナウンサーになればいい」といった不思議な復讐策を提示したかと思うと、アナウンサー試験合格のための特訓を始めます。まずはメイクと写真写りといった受験でも通用しそうなテクからの正攻法で行こうと試みると、受験者が「米長名人」を「アメリカ長名人」と呼んでしまうぐらいの学力しかないと知るや大胆にも方針変換、性別すら女装して変えていくといった新技で三次試験に挑むなど、前作で見せたパワーはまったく衰えていません。

もっともここまで来ると、帝王が示すテクニックがかなりヤバいものでしかないことは読者としては薄々気づかざるを得ないわけですが、それでもなお「いいかも」と思わせてしまうような妙な「説得力」が本作にはあります。実際口八丁だけで安物の湯呑みを一つ五万円で売り切ってしまうわけですから、「師匠」の営業テクは確かにズバ抜けていますし、彼の話を聞くのも一考かも知れません。

就職面接や詐欺まがいの布団販売等々、テーマとなる対象が広がったことで、前作よりもさらにとっつきやすくなったように感じます。こうしたノウハウをテコにしたあるあるネタは、その試験や業務などの内容について知らなければそもそも分かりようがないのも事実で、この方針転換は概ね成功だったと言えるのではないでしょうか。色々なジャンルへの深い知識とそれを茶化してけるだけのセンスがなければ難しいジャンルなだけに、似たような作品は多くありませんし、続編を見てみたい一作ですね。

Author:shopazuraazwa