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受験の帝王

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大学受験に失敗に浪人生活を送る雪村 圭司。一緒に受験を頑張っていた彼女は大学に進学してしまい関係もうまくいかず、勉強もはかどらないという冴えない生活を送っていましたが、そんな彼の前に、やたらとワイルドな格好をした男が。彼は現在九浪目ですが、異様な受験攻略法を持っており、雪村にそのノウハウを伝授していくのでした。

シリアスな麻雀漫画「氷牌」が大ヒットした志名坂氏による受験ものとあって、あらゆる局面から問題にアプローチしていく思考力が光りまくっていますが、その一方で実際に成績が上がるかどうかは分からない怪しさも備わっています。学食の食券のパターンから何から覚え込ませたかと思うと、問題文を一切理解も読解もしないままそれっぽく回答したり、「色々あった」で感想を済ませてしまうなどの強烈テクが続出、受験仲間と一緒に遊んでいるように見せて自分だけ勉強したり、飲み会で酒を吐いて水を飲み、自分だけ酔わずにやり過ごすなど、かなりセコい技も頻出します。「ドラゴン桜」などの作品では決して出てこない外道技の数々はまさに多種多様で、決して人にオススメできるレベルでもないのですが、よくよく見てみると、麻雀のイカサマにも似た大技感があり、本作とボードゲームのどんでん返しの方法には意外な共通点もあるようにも思えました。後に麻雀作品で大ヒットを生み出すのも納得です。

作品としては基本的にいい意味でのバカバカしさを常に維持しつつも、受験での不調やトラブルといった課題を師匠や雪村の機転によってうまく解決していくという構図が保たれていて、非常に爽快感があります。本書がダイレクトに受験の助けになるかというと微妙ですが、息抜きに読んで大笑いすることで勉強のモチベーションも上がるかも知れません。

Author:shopazuraazwa