私が好きな漫画のひとつ、「きのう何食べた?」。
作者はよしながふみ先生、今までも漫画の中で料理が印象的に描かれる事が多い漫画家さんでしたがこの作品には料理にスポットを当てたまさに集大成ともいえる作品です。
ストーリーはゲイの男性二人が同居しているのですが、弁護士の方の男性が料理が得意で日々手料理を相方に振舞います。
といっても凝ったものというよりはお母さんが作るような家庭的な料理が多く、節約志向でもあるので食材を使いまわしたり、健康に気を使ったりといったごく普通の食生活が描かれています。
日々の生活の中で確実に時間は流れてゆき、ゲイという事もあってそういった悩み事も多い二人ですが、その日常を面白く切り取っています。
出てくる料理が毎回美味しそうで家庭でも作れるものばかりなので真似したくなります。
ちょっとメニューに迷ったときなんかはこの漫画を参考にすることも多いです。
また作る過程が丁寧に描かれているのでレシピ本としても優秀です。
主人公の弁護士は趣味が料理でイライラしたりしていても料理をすれば落ち着くという性格です。
何かを淡々と作るといった行為は気持ちを落ち着けてくれる作用がありますよね。
彼の場合はそれが料理で、毎日の生活の中の出来事を料理をすることによって消化していきます。
日常を淡々と描いた漫画なのになぜ飽きずに読めるのか、それは作者の着眼点と確かな実力あっての物なので大御所よしながふみ先生がどうしても描きたかった作品というのも納得です。